大日如来大祭
三ヶ所区民は大変信仰心篤く、神社仏閣を大切にし、
特に大日如来の崇拝は篤く、
旧暦一月二十八日に行われる【大日如来大祭】は
青峯山の【御船祭】と共に
海上安全・大漁満足・厄災消滅・心願成就の
祈祷法要として有名です。
区民はもとより近隣の漁師、民衆の信仰を一身に集めています。
漁船は大日山の赤旗と青峯山の青旗を掲げ漁に出掛けていきます。
大日祭の一日
大祭当日は大日堂まで海上より船にてお出迎え致します。黒厨子のまま白麻に包まれた御本尊さまは厄歳衆に担がれ御座船(本船)に乗せられ何艘もの大漁旗を靡かせた船を従え波を切って湾内を奔るさまは真に勇壮です。
港に着いた大日如来さまを区民総出でお迎えし、老若男女が笛や太鼓に合せ綱を引き栖雲寺へと進みます。須弥壇上に安置し、遠近の僧侶により大般若経六百巻転読の祈祷法要を荘厳且つ厳粛に嚴修し後、区民一同歌や踊りの演芸で一夜参籠、翌朝叉海上よりお送り申し上げます。区民にとって盆正にも勝る最大の年中行事なのです。
この他に毎月の旧暦二十八日のお参り、旧暦五月二十八日の区民総出のお堂での祈祷法要と、とにもかくにも大日如来さまと共に明け暮れをしている地区なのです。
栖雲寺のご本尊さまは聖観世音菩薩さまでありますが、地元三ヶ所の者にはこの大日堂の大日如来さまへの信仰が篤く、親しみを込めて「大日さん」と呼ばれています。
沿 革
安永9年2月(1780年)
的矢・禅法寺の8世「天瑞一鳳大和尚」が当寺に転住され、
本寺 鳥羽・常安寺14 世「天霊慧満大和尚」を
開山に拝請(御招き)し、自らが2世となられ開かれました。
天明2年(1782年)に三ケ所の外れに在った
「像座山・大日寺」(真言宗)を統合し「大日山・栖雲庵」と改名し、
大正5年11月「11世 大渓雪城大和尚」の本堂再建にあたり、
栖雲庵を改め、今の「大日山・栖雲寺(だいにちさん せいうんじ)」となりました。
一日の様子
大日堂へお迎え
海上より大日如来さまを大日堂までお迎えにあがります。
住職がご祈祷をし、御神酒が振る舞われます。
大日如来さまが厄歳衆に担がれ運び出されます。
御座船へ
筏の上を歩き、御座船へと向かいます。
大日如来さまをお迎えにあがった全ての船に渡し、御神酒で清めます。
御座船に乗せられた如来様は、何艘もの大漁旗を掲げた船を従え波を切って湾内を巡ります。
区民総出でお出迎え
港に着いた大日如来さまを区民総出でお迎えします。舟形の山車に乗せられた大日如来さまを笛や太鼓に合せ、老若男女が綱を引き栖雲寺へと進みます。
栖雲寺に運び込まれた大日如来様を本堂に安置します。
近隣の僧侶がご祈祷をし、三ヶ所区民の一年の無事を祈ります。
お見送り
歌・踊り・演芸などで大日如来さまと共に一夜を明かします。
翌朝また御座船に乗せお送りします。
次に大日如来さまにお会いできるのは一年後です。